今日は「小説家になろう」で、『百万回転生した俺は、平和な世界でも油断しない』という小説を読んだ。
ジャンルはコメディ。文字数は39万文字と短め。
けれど、信じられないくらい濃厚なストーリーで、一晩で読み終えてしまうくらい面白かった。
全体的にコミカルではあるものの、話が進むにつれヒューマンドラマが中心にシフトしていく。
読んでて、キャラが寿命で死んでいくのが心に来た。普通のファンタジー小説と違って、みんな寿命とかで死んでいくからそこら辺のリアリティがありまくりで、「この先、自分の周りの人もこんな感じに先立ってしまうんだな」と読んでてすんごい悲しい。
個人的には、キャラが死ぬ話って大丈夫なんだけど、これは「現実では起こりえない」と分かっているから読んでいられるんだよね。
人間はだれでも死ぬけど、魔法で虐殺されたり戦争で死んだりとかないじゃん。
だから読み物として楽しめる。けれど、「老い」は別。
高齢化社会の日本だといっそう身近だし、自分よりも先に親が死ぬって考えると、そう何とも言えない悲しみを感じるんだよね。
内容はファンタジー要素はあるけど、ほぼ現代生活と同じだった。だから学校に行くし、仕事もする。進路の考えとか、読んでて「もっと早く読んどけば!」とめっちゃ思ったから、中高生や就職を控える大学生に超おすすめ。
主人公レックスのどうしようもない普通さが、”イイ”んだよね。
『敵』の思惑に乗らない。
ヒモになりたい。
とか言ってても、子どもが生まれたらかわいがるし、40代になれば健康の話で花を咲かせる。
転生して色々ハイスペックでも、生きていく内に『普通』になるんだなって。あぁ、『普通』っていいなぁ、ってなれた。
思いつくままに感想を書いてきたけど、本当に、この小説はエモすぎた。
小説の良い所って、「心情を書けば書くほど、キャラの厚みが増す」ことにあると思うんだよね。
良いところも悪いところも、たくさん書くほど個性というか、愛着が生まれる。そうしてキャラに魅力ができてはじめて、カッコよく書けば輝くし、悲しいラストも描けば涙が出る。
それで、39万文字のほとんどが主人公の独白で構成されているから、主人公レックスの厚みが半端ない。
思い出話とか、終盤で読んでるとね……目頭が熱くなるのよ……。
ほんと、
マジでみんな子どものころからずっと一緒にいたのに、寿命で死んでいくって、駄目だわ。
リアリティがありすぎて泣いちゃう。
今この文章を打ってる時も思い出して、涙で画面がぼやけてきちゃってる。
とにかくめちゃくちゃ泣ける良い作品だった。
ぜひ、ぜひ読んでみてほしい。おすすめ。
リンク: https://ncode.syosetu.com/n0025fi/
百万回転生した俺は、平和な世界でも油断しない
異世界転生 日常 無敵 敵が存在しない 不遇に慣れすぎた 最弱に慣れすぎた ご都合主義 普通の人生 主人公は大往生
コメント