【感想】AIの恐怖からは抜け出せるが、不満は多い一冊～Artificial Images　Midjourney / Stable DiffusionによるAIアートコレクションのレビュー～

MidjourneyとStable Diffusionを使ったAIイラストの画集が出た。

どのような物ができるのか、出来たイラストのprompt(入力ワード)が知りたかったので買ってみた。

因みにkindleで購入。

それで、読んで思ったのが、「2,000円を取る内容ではない」ということ。

割と本音に近い内容を書いたので、買おうか悩んでる人の参考になれば。

「Artificial Images　Midjourney / Stable DiffusionによるAIアートコレクション」の内容

この画集の内容はイラストとプロンプトだけで構成されている。

kindleだけどこんな感じで、prompt＋イラストの形式になってたよ。

文章は簡単な著者の自己紹介と弁護士のコラムがあるだけ。期待はしてなかったけど、AIイラスト生成のコツとかも載っていないよ。スピード重視で作られたんだね。

内容が気になる人がいると思うので、目次を載せておくよ。

それで、感想だけど、大体3つのことを感じたよ。

• キャラクターのpromptを知りたいなら買わないほうが良い
• 観賞用でもおススメはしない
• AIイラストのレベルが知りたいなら買ってもいいと思う

ところで電子書籍版は、レイアウトが崩れてめちゃくちゃ読みにくい上に、イラストが拡大がやりづらすぎて不便だからKindleでは買わない方がいいよ。

-852話. Artificial Images　Midjourney / Stable DiffusionによるAIアートコレクション インプレスR&D. Kindle版

キャラクターのpromptを知りたいなら買わないほうが良い

販売ページには「公開されてるpromptは約半数」と書いてあったけど、ジャンルごとに偏りがひどかった。特に、キャラクターの章のpromptはほとんど非公開。

「このイラストいいな」と思ったイラストのpromptがことごとく非公開で、読むにつれテンションガタ落ちでした。

どれくらい非公開が多いかって？

本書では102枚のイラストが掲載されていて、そのうちの35枚がキャラクターイラストなんだ。

それで、キャラクターイラストでpromptが非公開だったものを数えてみたらなんと、35枚中28枚が非公開だったんだ！割合にしてなんと20%！約半数どころじゃないね！

逆に言えば、キャラクター以外のジャンルは比較的プロンプトが公開されているということだけど……。

それでもめっちゃ萎えたし、「キャラクターのprompt」目当てで買おうと思ってるならおススメはしないよ。

ちなみに非公開の説明は本書に書いてあったが、著作権うんぬんではなく、どうやら著者の主義(？)で非公開にしたらしい。

著作権云だったらわかるんだけど、商品として売ってるのに、自分の主義を優先……。

なんだかなぁ～。

非常にモヤります。

観賞用でもおススメはしない

イラストの出来については、世間に騒がれているような「イラストレーター終了！…w」なレベルではなかった。

出版物だからといって「すげぇ！」っていうような出来なものもなかったし、言い方は悪いけどTwitterで話題になったものを集めたような画集だったよ。

だから2,000円という金額に躊躇ってるなら、著者のツイートやバズったツイートや、Midjourneyの公式サイトに皆が生成したイラストが公開されてるからそっち見たほうがいいかも。

観賞用に買いたいと思っている人なんかも、 素直にイラストレーターの画集や設定資料集などを買った方が絶対楽しめるよ。

AIイラストのレベルが知りたいなら買ってもいいと思う

文句しか言ってこなかったけれど、「今のAIイラストのレベルを知りたい」なら買ってもいいんじゃないかな。

手直しは最小限とはいえ、体が歪んでいたりと手直しが必要なイラストも多かった。

この画集を買ったことで、「世間で騒がれているほどAIイラストはやばくない」と実感できたし、そこは良かったと思ってる。

「AIの登場でイラスト制作に手がつかなくなった」不安まみれの人なんかは、安心感を得るために一冊手元に置いておくのもまあ悪くはないかもしれない。

以上、AIイラスト画集を買った感想でした！